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シンプルな故の強さ
デンマークに入って。

初日は、一日のんびりごろごろしながら過ごした。なんせ3週間ほど休みらしい休みがなかったものだったから。身体が休息を求めており。

午後から起き出して、街を歩いたりした。

このLingbyという街はCopenhagenからも列車でほど近く、街中には小さな商店が軒を連ねており、スーパーなども駅前にいくつかある、とにかく便利な街だ。

穏やかで静かな風情も、どちらかというとハイクラスな生活を楽しんでいる様子が伺える。

デンマークに対する僕の印象は「質実剛健」。生活以外余計な物を感じない、本当のシンプルさです。

夕方から、メルディアーノシアターに向かいました。

シアターと言っても、工房というか、稽古場と事務所と工作室が一緒になったような工場といった感じ。

中では2本の作品の仕込みが行われ、新しい他劇団の演出作品とレパートリーとしてやっている作品の稽古が行われていました。

そこで、久しぶりにみんなとの再会!日本からさくらこりんもやってきていたので、いろいろとみんなとおしゃべりをしました。

皆、口々に日本の状況に対する心からの衝撃と悲しみを口にしていました。

また、困ったことに放射能のことが原因で、ヨーロッパ各国の首脳が日本への渡航禁止などの措置を検討していること。今後の公演に対する心配などを語っていました。

こういうことが続けば、今まで日本が世界と紡いできたあらゆる関係性がたたれてしまいます。

皆、「本当に心配だ」と表情を暗くしていました。

しかし、創作活動に関しては非常に前向きにとらえているのがうれしかった。

「いま、日本との共同制作を始めることは、とても大きな意味がある」と、言ってくれました。


今はいろんなことが見えていない状況であることは間違いない。しかし、それで留まっているのではなく、一歩でも前に進もう。

僕が今、強く感じていることです。
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by nakadachi2 | 2011-03-31 15:48 | KIO
フランスからデンマークへと向かうわけ
Remisでの公演を終えた。

最終公演では、およそ三百人のこどもたちにかこまれて、とてもいい集中力でやることが出来た。

終演後、舞台に駆け寄ってくれたこどもたちの反応を見ると、公演の手応えを感じた。

それから、バラシを終えて遅めの昼食をとり、フェスティバル主催のシャンパンパーティーへと向かった。

とはいっても、地元の公民館のような会場で、横では卓球がやられているという、とても面白い場所でのパーティーだった。

ここはシャンパンの故郷シャンパーニュがある街で、シャンパンのケーブが、街のいたるところに点在している。

フェスティバル主催者のシャンパンに対する愛情は相当なモノで、語り出すと止まらない。

おそらく、このシャンパンパーティーも主催者の独断で催されているのだろう。なんとも、不思議なフェスティバルだ。

この交流会の後に、深夜のディナーへと続き、ホテルの部屋にもどった頃にはもう疲れきってしまっていた。

翌日は早朝から空港に向かった。そこでトレインの公演のチームとも別れ、僕は一人、フランスを離れてコペンハーゲンへと向かった。

デンマークでは、また新たな共同制作がスタートする。

これはデンマークを代表する劇団メルディアーノと共に挑む、新たなる挑戦だ。

彼らの劇団を、僕は二度に渡って、日本のフェスティバルに招聘をしている。

才能に溢れた演出家のジャコモから、共同制作のオファーをうけたのが2008年。そのプロジェクトがようやくスタートするわけだ。

これで、すでにツアーとしてスタートしているトレインに続き、また新たな国際共同制作作品が生まれようとしている。

これから、どうなるのか?今の時点では、まったくわからないが、最初のボタンをかけ間違えないようにしたいと思う。
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by nakadachi2 | 2011-03-29 19:04 | KIO
いかにもフランス
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エッフェル塔をしたから見上げてみた。

見上げてみると、通天閣とさほど変わらないように見える。

周りには一ユーロのエッフェル塔のミニチュアを手にした怪しげな男達がたむろしている。

あきらかに観光客狙いの「こいつを売りつけてやるぞ」という気合いむんむん。

引いてしまったので、エッフェル塔のミニチュアは買わなかった。


フランスに来たのは初めてなんだけど、思っていたより普通なヨーロッパという感じがした。

中世の街並みを多く残し、美術は豊富にあり、美を追究する街。

確かにそういうイメージなんだけど、あれ?みたいな。

やっぱり、移民や貧困の問題などが街に其処個々に垣間見える。

イメージとして見ていては伝わらない部分があちこちにあった。


以上が、エッフェル塔を見上げながらおもったこと。
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by nakadachi2 | 2011-03-27 14:12 | Private
Remis childrens festival
Remisの街に入った。

こちらでは毎年、この三月の末に、こどもたちに向けてのフェスティバルを行っている。

Nancyは、どちらかと言えば郊外にある、いわゆるベッドタウンのような街だった。

比べると、Remisは古都金沢のような文化と歴史が感じられる風光明媚な印象を受ける。

僕たちが公演を行うのは、駅から程近くにある、メイン会場として使われている劇場。

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建物は古いモノを再利用した感じだが、スタッフはよく動き、システムはしっかりしていて、使いやすい劇場だ。



このフェスティバルには、主にフランス語圏から、30くらいの団体が来ている。

演劇はもちろんだか、ダンスやサーカスまであるのはお国柄を感じさせる。

昨日の夜はサーカスを見た。一人でやるサーカス。照明や音響までも一人でやっていた!

孤独じゃないのだろうかと、いらぬ心配をしてしまったよ。

オールドスタイルのサーカスだったし、年配のおじさんだったけど。

頑張っていたので、観客は大拍手だった。

頑張るってのは大事だね。たとえそれがひとりでも。



公演を観て、劇場に戻るとトラブルが発生したと!

なんと、コンピューターが壊れて、映像が出ない!

何度もトライしたが、僕のPCに対する理解などではとうてい歯が立たない。

結局、夜中まで粘ったが撃沈。

それでも気持ちを切り替えが直ぐに出来た。

その分、演技で頑張ればいい。

照明や影絵など、やれることは他にも沢山あるのだから。

もともとTrainは、人形、影絵、映像、生演奏など、てんこ盛りの作品。

どうにかなるさの精神で乗り切ろうと思います。



我々は、このフェスティバルにとって、日本からはじめての劇団だそう。

さあ、今日が初日です。はじめての名にふさわしい公演をしたいと思います。
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by nakadachi2 | 2011-03-27 01:55 | TACT/FEST
こどもたちの声が聞こえる
何度かフランスで公演を行った。

今日は学校からたくさんのこどもたちが来てくれて、劇場がいっぱいになった。

いくつかのシーンでは笑いもおこり。

久しぶりにこどもたちの元気な声に触れて、僕は幸せな気持ちになった。

僕は今まで、この声に支えられてこの仕事を続けてこられたのだ。

そのことをあらためてかみしめてた。

日本にもどった時にこどもたちは笑っているだろうか。

戦時中、日本からこどもたちの笑い声が消えて、

僕の父親たちは、児童に向けての演劇をはじめた。

こんどは僕らの番だ。

僕らがやるんだ。

落ち込んでいるわけにはいかない。

ここで何かをあきらめてはいけない。

フランスで、こどもたちは笑ってくれたよ。

日本のこどもたちにも、もっと笑ってほしいから。

これからも。
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by nakadachi2 | 2011-03-25 01:25 | KIO
アメニモマケズ
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フランスでの公演が、いよいよ明日に迫った。

私たちは毎日、リハーサルを続けています。

トレインという作品が、今、再演される事には何か意味がある。

そう思って取り組んでいます。

僕は宮澤賢治さんを演じます。

東北の魂を思いながら。


頑張りますよお。
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by nakadachi2 | 2011-03-22 02:06 | KIO
小さな街の、サクラの花。
いよいよ、劇場入りをした。

とはいっても、この何日間か、すでに劇場のリハーサルルームで稽古を続けていたのだが。やっと、劇場が空いたので移動できたというわけだ。

それで、すでに仕込みを済ませ、今日から本格的な劇場リハーサルになる。

僕らが公演をするNancyという街はParisからTGV高速鉄道に乗って一時間半。

小さな街ではあるのだけれど、街の中心を貫くようにトラムが走っていて、大学があるため若者達が街に溢れている。

街の中心には広場があり、それは夜になるとライトアップされて別世界のような美しさだ。

小さなレストランには毎晩人が溢れている。つまり生活を楽しむのには丁度良いクラスの街、そういうことだ。



昨日は劇場のスタッフが仕込みを行ってくれたため、アクターはオフを取ることが出来た。

それで街のマルシェ(市場)に出かけてみた。

新鮮な食材が豊富に揃っていた。その色とりどりの見事さに見とれるばかりで圧倒されて、結局何も買うことが出来ず帰ってきた。

もしもう一度、行くチャンスがあれば、今度こそ何か買おうと思っているのだが、もう時間はないかもしれない。

公演は22日に迫っている。これからは精神的な戦いにはいるから。おそらく昨日が唯一のチャンスだったのだ。

後悔はできない。



僕は今、日本から遠く離れているので、CNNなどの限られた情報のなかで、日本の状態に思いを寄せている。

それも自分が決めた自分の役割である。僕はこの場所で自分の役割をきちんとやるしかない。

Nancyでは原発に反対する活動家が原発停止の署名活動を行っていた。

こちらの街角では日本より一足早くサクラがほころび始めている。

日本ではもっと綺麗なサクラを見ることが出来るだろう。

春はくる。誰にでも。


世界は変わり続けている。

予測も出来なかったことが起きる。

何を大切に生きるのか、どういう役割を果たすのか。

出来ることを、出来る限り、精一杯。

サクラの花のように、咲き誇る。


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by nakadachi2 | 2011-03-20 15:31 | Others
思いつくまま
今僕らに出来ることは何か?考えてみた。

被災地への公演慰問
「早急にと言うことではなく、長い目で見て、子ども達への笑いによる心身のケア。出来るのではないか」

募金活動
「劇場ロクソドンタでの呼びかけ。フランスでの公演の際の呼びかけ。自社サイトでの募金バナーの設置」

公演開催協力
「公演中止を余儀なくされた団体への協力として。小劇場ロクソドンタブラックの提供」

疎開場所の提供
「微力ではあるが、事務所など宿泊可能な施設はある。呼びかけも出来る」

海外への協力支援
「今まで培った海外のネットワークを活用して、世界に向けて呼びかけていく」

児童演劇関係団体と協力しての支援活動

劇場などと連携しての活動
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by nakadachi2 | 2011-03-17 16:35 | Social
PRAY FOR YOU
昨日から、今回の公演地であるNancyに居を移し、自炊の環境も整って気持ちは日常へと写りつつある。劇場とアパートの往復が一週間以上続く。毎朝、9時に出勤して、18時に作業を終え、帰宅。そこから買い物に行き、夕食を作る。

こちらの食事はパン食が中心なので、普段ご飯や麺ばかり食べている身としては、どうにも腹持ちが悪い。なので、自炊ではご飯を炊くことにする。こちらで手に入れることの出来るのはインディカ米で、俗に言うタイ米であるが、それでもあるだけありがたい。片手鍋に米を入れて火にかける。ふたはしない。しないというか、ない。沸騰したらそのまましばらく煮続け、最後に湯を切る。このあたりのやり方は日本の米とは違う。いわゆる「おねば」の元となる水分を捨ててしまうのだ。このやり方を漫画「美味しんぼ」で見てから、そのままならっている。そしてしばらく蒸らす。それでけであのさらさらの食感のタイ米が炊きあがる。とても簡単だ。

料理を作りながら、CNNを見る。このところずっと日本の地震のニュースが続いている。最初の頃は津波の映像と被災状況の報道が続いたが、現在原子力発電所の状態へと情報は完全に移っている。日本の福島の天気や季節風の流れまでもが詳細に報道されている。そして人体に影響のある放射線の事について、表などを交えながら専門家の話を聞く。おそらくこれほどまでに日本の状況をニュースとして取り上げたことは過去にも例がないのではないか。そう思うほど一日中ニュースは日本の状況を知らせ続けている。

僕は今、フランスにいて、遠く離れた日本の状況に思いをはせることしかできない。そのことが重くのしかかってくる。僕は日本に帰った時、何を思うのだろう。僕は今ここで何が出来るのだろうという自問を繰り返しながら、答えを求めず、日々出来ることに集中している。ご心配いただいた方には感謝の言葉を言い尽くせないほど。幸いカンパニーや大阪の状況は普段と変わりないと聞いています。みなさんありがとうございます。

なんとかこのまま、収束に向かって欲しい。これ以上の被害が出ないで欲しいと祈るばかりだ。それに、なんとか一人でも多くの生存者が見つかることを願う。誰も傷つかないで欲しい。それがたとえわたしたちの幸いへとつながる道だとしても。

今、僕の元へも世界中から祈りの声が届いている。心をひとつに、被災者への祈りを捧げたい。
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by nakadachi2 | 2011-03-16 15:08 | Others
覚悟
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公演をするのはNancyという街。街にはトラムが走り、アールデコ建築で建てられた街の中心はとても美しい。

僕らは、郊外の劇場で公演をする。公演数日前から劇場の稽古場を使用してのリハーサル。

到着した荷物は何かの原因で一部が破損していた。しかし、道具には問題がなかった。写真はその部分。

これから、何日か、この地で過ごす。日本からの情報に心を寄せながら。今、自分に出来ることを精一杯やる。
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by nakadachi2 | 2011-03-16 00:18 | Others