<   2009年 01月 ( 32 )   > この月の画像一覧
身体の調子を見ながらゆるゆるとやってます。
ほぼ一月ずっと続いた出張期間を経て、少し体調を崩している。風邪ぎみで、軽い咳が止まらない。それでも寝ているほどではないのでいろいろとやっている。夏のフェスティバルの準備も、やっと海外作品が出そろい、予想よりも意外と華やかな顔ぶれとなった。それというのも、今年は予算を縮小してのぞもうとしていたので(これは大阪府の財政状況逼迫によるもの)、あまり派手には出来ないだろうと考えていたのだが、それはそれで、状況が変わればいろいろと違う方面から助けをいただくことが出来て、今年も過去二年以上の規模で開催できそうな運びとなってきた。こういうのって、巡り合わせというか、運というか、機が熟してきたというのか、本当に不思議である。今年の夏のフェスティバルは会場も変更されるので、また詳しくは以下のサイトを見ていただきたい。今はまだ情報が古いけど、4月を越えたら新しくなります。

Tactan2009のサイト↓
http://www.tactan.jp/

ちなみにトップページに記載してある期間も延長されることになった。実際、今年の日程は7/25(土)から8/2(日)の9日間である。参加団体も多くなりそうで、今年も忙しくなりそうだ。



昨夜はロクソドンタブラックのマンスリー音楽イベント「音ノカタチ」の第一回目が、催された。創作和太鼓集団「黒拍子」の音世界に、久しぶりにどっぷりと浸かった1時間半。濃厚で豊かな時間を過ごした。太鼓が好きであれどうであれ、こういう質の高いイベントが毎日のように催され、それが国なりの援助を受けて、手に取りやすい料金で提供される日が来たら、それは人間の日々の営みをどれほど豊かにしてくれるのだろう。そういうことを考えていた。文化というのは人の生活レベルで隔てられるものであってはならない。人間が人間らしく生きるために、あたりまえに等しく享受されるべき事柄である。それは医療や教育などと同じようなレベルで、誰もが触れられるものであるべきだ。けしてそれは個人の好き嫌いなどで片付けられる問題ではない。教育を好き嫌いでは片付けられないように、文化は素養として個人が受け取るべき権利なのだ。それがその人そのものを物語ることになる。教育と同じように。



ライブの直前、カフェに出向き、一人でラテを注文して飲む。冷えた身体にあたたかなラテが優しい。カフェも文化だ。けして絶対に必要なものではないが、それが人々の生活にアクセントと安らぎを与え、活力を与える。本来、劇場に出向くと言うことは、カフェに出向くことと同じくらい気軽で無くてはならないと思う。

a0014658_10511681.jpg



惜しむらくは、日本のカフェは混みすぎているように思う。どうしてなんだろうか?謎だ。それで、学校終わりの高校生達に席を明け渡すように店を出た。右手にはまだグランデのカップがある。それだけで、心までまだぼんやりとぬくもりが残っているようにおもう。
[PR]
by nakadachi2 | 2009-01-29 10:54 | TACT/FEST
久しぶりにですが、ロクソドンタも盛り上がってます
今週からは夏のフェスティバルの準備、共同制作「TRAIN」の製作作業、と続く。が、最近それに加えて、ロクソドンタも面白くなってきている。

まず、「ロクソドンタフェスティバル」は6年目に入り、内容もよりパワーアップ。2月より11月まで、10ヶ月に渡って、のべ30団体がしのぎを削る。今年も年末に芸術創造館に置いて、勝者だけの集い「ステップシアター 大阪セレクション」が開催されることも決まっている。東京など、地方からの参加団体も年々増加傾向にあり、関西でもっとも熱い若手登竜門イベントとして、すっかりと定着した感がある。すでに四月までは予定がすべて詰まっている。5月以降の公演を考えている団体の方々は、出来る限り早めにご連絡を。

そして、これまた長期にわたって続いている「ダンスの時間」が1月31日に控えている。一昨年より「ダンスの時間 サマーフェスティバル」も始まり、関西のダンスメッカの一つとして、年々重要な位置を果たすようになってきている。進行役の上念さんのおだやかな語り口も健在。昨今では海外のミュージシャンを加えた、即興的ダンスなども増加傾向にあり、今後ますますグローバルな展開が予想される。「ダンスの時間」にも注目。

最後にご紹介したいのは、ロクソドンタマンスリーミュージックイベント「音ノカタチ」のご案内。

a0014658_9311982.jpg


「音ノカタチ」チラシ画像

和太鼓創作音楽集団「黒拍子」がナビゲーターとなり、1月28日からスタートする。毎月の音楽イベントはロクソドンタ初。それだけに音楽ジャンルをクロスオーバーした企画や、他では見られない競演などを続々やっていきたいと思う。このイベントにはキオのメンバーも全面的に関わる予定なので、ご期待いただきたい。

などなど、いろいろと目白押しの企画盛りだくさん!詳細はロクソドンタブラックのHPでチェックしてください。

http://www.thekio.co.jp/loxodonta/index.htm
[PR]
by nakadachi2 | 2009-01-26 09:32 | Loxodonta Black
待ち受ける韓国との共同制作!未来への展望が見えた韓国最終日
帰国の朝。本当にあっというまのソウル3日間でした。しかし、毎食毎食誰かに誘われて、おなかがはち切れそうになっていましたよ。日本に帰ったらちょっとセーブしないといけませんね。

朝はホテルに演出家のナムさんが車で迎えに来てくれて、遅れてキムソリも合流して、二人で空港まで送ってくれました。インチョン空港までは市内から車で一時間かかるので、ほんとに助かりました。みんなと空港でお昼ご飯を食べながら、共同制作のプランなどを具体的に話しました。そうです、これはニュースですが、BSTカンパニーとキオの共同制作がいよいよこの夏から始まるんです!情熱と才能の持ち主である彼らとの共同制作、とても楽しみです。

二人にお礼を言って別れ、慌ただしくゲートの中へ。楽しくて話が長くなったので、フライトまでの残り時間もほんのわずか。でも、そのまま免税店に飛び込みました。実は韓国行くと必ず帰りの空港免税店で買うものがあります。それはCAMPERというブランドの靴なんですが、この靴がとても履きやすくて、これをはき出してから他の靴を履くと足が痛くなることに気づいて、それから僕はこちらの靴を愛用しているんです。それで、時間もないけど靴が買いたい!ということでお店に入って、5分くらいで2足ゲットしました!

a0014658_1449735.jpg
a0014658_14491736.jpg



ね?いい感じでしょう。ジーンズにもスーツにもあわせられる。[CAMPER]というのはスペインのブランドで、「農夫」という意味があるそうです。シンプルな作りだけれど、とてもしっかりしていて、はき疲れない。まさに「農夫」仕様ですね。こちらの免税店で買うと、今は40%のセールも手伝って市価の半値以下で手に入るんです。だから2足でも、日本で買う1足より安い!これはお得です。いい買い物が出来たので、またこれからもがんがん歩き回ることが出来そうです。

飛行機の中ではこれからの活動をぼんやりと考えていました。年々、深まっていく海外との関係も、信じられないくらいにうれしいことです。また、そのことを通じて新たな作品の可能性が生まれてくる状況も、幸せなこと。いろいろと食べて飲んで話して、観劇して会議して、濃密に充実した4日間の韓国でした。
[PR]
by nakadachi2 | 2009-01-24 06:18 | Others
韓国満腹!BSTカンパニーのメンバーと再会の夜
夜は夜とて、金先生に連れられて東大門運動場近くの平壌冷麺の店に行く。冬でも冷麺。でもとてもうまい。この店の冷麺は手打ちにこだわっており、極細で、いわゆる日本の焼き肉冷麺とはまったく別の食文化である。

a0014658_6392926.jpg


これに辛子とお酢を振りかけて食べる。辛子は黄色い和辛子である。スープは淡く、麺のうまさを純粋に引き立てている。日本の蕎麦と同様の位置づけにあるのが韓国の冷麺なのだ。

a0014658_6413362.jpg


こちらは餃子饅頭(マンドウ)でも有名なお店。店に入ってくる人たちはみなこれをつまみに韓国焼酎を飲み、冷麺で〆て帰って行く。短い時間でさっと切り上げていくのも蕎麦と同じ。

a0014658_6434278.jpg


この豚肉がまたうまい!韓国に来たら必ずこれを食べたいと思ってしまう。豚肉は下の写真にあるおきあみの汁につけて、キムチと一緒に口の中に入れるがベスト!至福の味わいを約束します。

a0014658_643528.jpg
a0014658_644583.jpg


いや、本当に満腹!!実はこの食事、前回のタックハンマリを食べてから二時間くらいしか経っていないのだ。おかげでものすごい満腹感!これから芝居を見に行くのだが果たして大丈夫だろうか。

a0014658_648446.jpg


大学路まではタクシーでワンメーターくらい。初乗りはW1900だから、日本円で120円ほど。めっちゃ安い。この劇場は大学路にある80席ほどのちいさな劇場。大学路には大小さまざまな劇場が乱立しており、その数はいまもどんどん増えている。最近は政府もこの街に劇場を作ったので、その数はいくらあるのかもう想像もつかないほど。その劇場目当てに若者が集まり、その若者達を目当てに商店が集まり、このあたりは非常に健康的な一大歓楽街となっている。ブロードウェイにあるような、当日にチケットを販売するサービスも新たに出来ていた。演劇が若者に娯楽として本当に浸透しているのがよくわかる。

芝居は僕らと旧知のBSTカンパニーが作った新作。オスカーワイルドの作品を題材にしている。随所に楽器を演奏しながら、おそらく猛練習を重ねたコーラスワークを魅せる音楽劇。彼らの向上心と情熱を感じさせる良作だった。終演後、カンパニー女優のキムソリが韓国居酒屋に招待してくれた。

a0014658_6551879.jpg


本当に韓国の人って、相手を楽しませないと気が済まない!って感じで、朝から夜までこちらを離してくれない(笑)。でも久しぶりにみんなの顔を見ることが出来て、本当にうれしかった。遅れて先ほどの芝居に出ていた出演者達も合流して、またもや夜中まで盛り上がった。彼らの公演はこれから1ヶ月以上続く。きっと、もっともっと練り上げてくるだろう。今度は日本から成功を祈っているよ。ありがとうみんな。
[PR]
by nakadachi2 | 2009-01-23 06:59 | Food
私たちは本当のトモダチです。韓国絶品鳥鍋をつつく、再出発の日。
a0014658_1613731.jpg


ホテルの窓から見える、ソウルの朝をパチリ。iPhoneのポラロイドソフトで撮ったんだけど、このソフト、少しバグがあって、文字入力がうまくいかない。それで謎の「A」という文字が書かれているのです。「A」だけ書いてあると、秘密の暗号のような気がしてくる。画像もポラロイドで、なにやら妖しい。

今日はお昼に食事を友人と共にした。友人の名前は金有眞(キム・ユジン)という。しゃれではない、本当に。ユジンは韓国アシテジの事務局長として、10年間、韓国と日本の橋渡し役として、尽力してきた。日韓の関係にとっては無くてはならない人だ。

a0014658_16205318.jpg


その大切な人が今年の春、韓国のアシテジを離れることになった。「疲れた−!」といって彼女は笑った。きっといろいろと大変なことがあろうと想像する。若い彼女の肩に降りかかった負担はおそらく強烈なものだったにちがいない。それを持ち前の明るさとエネルギー、そしてさわやかな笑顔で乗り切ってきたのだ。僕らはきっと、彼女が職を離れてもこれからも大事な友達だし、むしろ、これからもっと仲良くいろいろとやりたいねと語り合った。ユジンが家族で行きつけだという「タックハンマリ」の店で、昼間から鍋をつつきながら。

a0014658_16253640.jpg
a0014658_16255581.jpg
a0014658_1626591.jpg


鍋は本当においしかった。やはり食べ物は一緒にいて楽しい人と味わうと、より一層うまくなる。ユジン、本当にお疲れ様。いままでどうもありがとう。しばらくゆっくりとやすんでください。私たちはいつまでお友達です。また今度もおいしいものを一緒に食べようね。
[PR]
by nakadachi2 | 2009-01-22 16:29 | Food
情熱だけが人の心を動かしていく。ソウルの終わらない夜
昨日は一日会議が続いた。お昼からヨイドンの女性センターという場所を使っての会議。ここはレジデンスも出来る施設で会議スペースやシンポジウムなどにも対応できる恵まれた芸術環境だ。同じ場所には劇場もあり、会議の後は芝居を見る予定になっている。会議は昼間から5時間、長時間にわたったが、非常に内容的に充実したものだった。これからのアジアの連帯をまたひとつ力強く前進させる会議だった。

アジアではヨーロッパなどと比べても、まだまだフェスティバル文化の定着が進んでいない。もっとアジアの主要な国々にフェスティバル活動を認知させていく努力をすすめなければならない。それから全体的に児童青少年向け演劇の質の向上も。これらはなかなか自国の事情だけでやっていては変わらない。海外からの刺激を受け、同時に交流も進めながらの継続的活動が急務である。そのために、私たちのようなフェスティバルの連携はさまざまな問題を包括できるといった点で、重要だという認識で各都市が一致している。今後はさらに周知活動をひろげ、アジア全体の参加と世界に対するアピールの両面でがんばっていく。

会議は英語を公用語にしてのもの。しかしアジアの様々な言語が飛び交う。会議の後は同じ施設内にある食堂で全員での会食。雰囲気は大学の学食のような場所だが、僕らは別室でホテルマンみたいな格好をしたウエイターから給仕を受けながら。コストは削りながらも敬意は忘れない韓国側の姿勢に頭が下がる。韓国では現在、国家予算の1%が文化予算に割り当てられている。当然、フェスティバルに関する予算も年々増えているが、これも継続的な演劇教育の成果に他ならない。国の文化担当者が子ども達に演劇をみせる必要性を明確に理解しているため、年々、環境整備が進んでいる。経済的な利益を国民に還元するためにほんとうに必要なことは何か。海外を知るたびに、日本の変化をもっと求めていくことが重要だと痛感する。

夜は芝居を見た。韓国が主催した共同制作。インド、モンゴル、韓国、日本、マレーシアなどアジアの国々から若者達が集まって作り上げた作品。日本からも3名が参加している。滞在費などは韓国の負担だが、ギャランティはないので、彼らは三ヶ月もの間、自己負担で参加したわけだ。みんなが協力してコミュニケーションをとりながら、最後に一つの作品を作り上げ、仲良くなっていく様を見ていると「これが本当の国際交流だなあ」と思う。相互の違い、文化背景、歴史など、さまざまなことを話し合い、それを土台に一つの作品を作り上げる。こういう活動は簡単に利益には結びつかないかもしれないが、本当に重要だ。これからアジアが一つになっていくためにやらなければいけないことはたくさんある。舞台の最後には出演者が全員表彰され、記念品を受け取っていた。観客からもあたたかな惜しみない拍手が送られていた。

a0014658_1017872.jpg


その後は、出演者達と韓国レストランで打ち上げ。

a0014658_10225110.jpg


僕の大好きな「カムジャタン」という鍋。それをつつきながら会議の続き。

a0014658_1022944.jpg


鍋がひとしきり空いて、おなかも満たされたところで、さきほどの舞台を終えた出演者達が合流。

a0014658_10233157.jpg


みんな三ヶ月の開放感から、本当に親しく語り合っていた。宴席の途中で僕らは抜け出して、バーに。韓国の「百歳酒」という健康酒を飲み交わしながら、おそくまでほんとうに楽しく飲み、語り明かした。
[PR]
by nakadachi2 | 2009-01-22 10:24 | Food
チョアヨ!今度は韓国を訪れています!
時差ぼけもまだ冷めあらぬうちに、今度は韓国に来ています!23日にソウルに入り、かつて東大門運動場があった(現在は解体して新しいショッピングセンターなどが出来る予定)場所のほど近く、アパートタイプのホテルに滞在しています。今回の韓国はアジア・チュルドレンズ・シアター・アライアンスの会議のため訪問。お世話にあっている人たちなどに会いながら、3日間ほどの行程です。

関空から仁川空港まではおよそ二時間ほどのフライト。あっというまです。相変わらず機内食はパスして、空港に着いたらリムジンバスで市内へ40分ほど。チェックインをすませ、荷物を放り込んだら韓国のレストランへとお昼を食べに行きました。

a0014658_8471215.jpg


あてもなく飛び込んだ店だけど、韓国の食堂はどこで食べてもたいがいおいしいので安心です。いつものようにキムチや豆類、野菜などが盛られた小皿が数種類並び、カルビチムなどを食べました。それでおなかもいいくらいに温まってW5500だから日本円で400円もしないのですから、円高はすごいですね。およそ二年前の倍ほどですから、そのすごさがわかるというもの。おかげで旅行者にはうれしい。

そのあとすぐにタクシーを捕まえて大学路へと移動。旧サダリ劇場(現在はハンナリという、ベネッセのような教育機関がやっている児童演劇専門の劇場)で人形劇を。観光の演劇人たちと合流してお茶や、食事を楽しみました。写真は以前にも一度訪れたことのある、観光客はけして知ることのない民家の食堂でたべたもの。

a0014658_8555861.jpg
a0014658_8561358.jpg


上の写真が「かきのジョン」下が「コチュのジョン」。コチュとは韓国の唐辛子のこと。ピーマンの肉詰めのようなものと考えてもらえれば近いです。ジョンとは卵のつけ焼きで、韓国では祝い事などハレの日には欠かせない食べ物です。下の写真のような、おきあみえびの汁や唐辛子、ネギなどを漬け込んだタレに浸して食べます。かきのジョンは味が濃厚で、たまりません!

a0014658_8595992.jpg


これを食べながら、韓国の人参をつけ込んだこの店オリジナルの人参酒を。

a0014658_9777.jpg


度数は40度くらいあります。そして最後に、韓国のうどん「カルグクス」で〆。うどんはあまりのうまさに写真を撮るのを忘れてしまうほどでした。本当に店構えそのままの、家庭料理の優しい味わいが特色のこのお店。韓国料理が苦手な人にも必ず食べてもらえると思います。大学路にありますが、わかりにくい場所だし、店だと思えない店構えなので、発見するのは困難です。食べて見たい人は、僕と一緒に韓国に行きましょう!

店を出た後も、バーにはしごしてベルギービールなどをおかわりしながら、いろいろと語り合いました。気がついたらあっという間に真夜中!しかし、ソウルは眠らない街なので、続々と人が増えてきます。本当にエネルギッシュな韓国!またいろいろとご紹介したいと思います。
[PR]
by nakadachi2 | 2009-01-21 09:07 | Food
眠れない夜をぬけて 
昨夜は真夜中に目覚めて、結局そのまま朝まで起きて何かしらごそごそとしていた。本当に昼夜が完全に逆転しているようだが、眠いときには眠るようにしているので、気分はそんなに悪いわけではない。むしろ、夜中の何もすることのない時間に、物音もせず、ひっそりと起きているというのは、それはそれで良い感覚である。眠らなければならないという強迫観念に迫られることもなく、ただ眠りたいときに寝て起きたいときに起きる。どうせジェットラグがあるのだから、この状態はしばらくつづくのだろう。それならば、あまりじたばたしない方が良さそうだ。

毎年この時期になると震災のことが思い浮かぶ。震災時、僕は東京にいて、音楽でプロになることを志していた。いつものようにスタジオで朝から練習をしていて(どうしてかというと、朝のスタジオは料金が安いからです)、途中休憩で立ち寄ったカウンターごしに地震のニュースを聞いた。あのときの総毛立つような感覚は今でもはっきりと覚えている。それは、さあーっと背筋をなで上げられるような、自分の立っている位置がおぼつかなくなるような感覚だった。不思議なことにそのときに考えたのは「なぜ、自分がその場所にいなかったのか」ということだった。僕は関西で育ち、大学を過ぎてもしばらくその土地で過ごした。なのに、震災に出会うことはなかった。もちろん幸せなことだとそしりを受けるかもしれないが、自分だけ逃げ出して恥ずかしいというような、妙な感覚におそわれたのだ。震災は未曾有の規模で、それは強烈な印象となって残った。しかし、僕が見た震災の風景はすべて、テレビのブラウン管越しに刻みつけられた、いわば切り取られた事実である。実体験を持たない人間に震災を語る資格は、おそらくこの先もないのだろう。それでも震災は、確かに僕の中に何かを刻みつけ、そしてまた見えない奥底へと沈んでいった。つり逃した大魚のように姿さえも見せることなく、深く深く。

そのことは、そのあと何年も尾を引くことになった。数年前に震災を題材にした「から井戸掘り」という本を書いたときにも、震災のことが知らずのうちに頭をもたげてきたのかもしれない。その後、数年間続いた東京での生活を引き払って僕は関西へと戻った。そして今もずっと関西にいる。その決定が正しいことだったのかどうか、僕には今でもよくわからない。あの震災の時に「その場所にいなかった」という記憶が今もぬぐうことが出来ないでいる。それほど、あの衝撃は大きかったのだ。その場にいなかったものさえも揺るがすほどに。関西のニュースはこの時期になると必ず震災のことを、まるで時告げる鳥のように伝え続ける。そしてまた再び、僕たちはそのことを思い知る。

もうすぐ夜明けがくる。この位の時間に起きている人は、そう多くはなかっただろう。みんなが眠りの中で、一番世界を無垢な物として、やすらかな寝息の中に吸い込んでいる時間に世界は揺れた。そして、今でもそれは僕らを揺らし続けている。
[PR]
by nakadachi2 | 2009-01-19 09:38 | Others
部屋の模様替えと、髪の毛を切りに行く
考えてみたら、去年の12月からおよそ一ヶ月近く、劇団員の顔を見ていないことに気がついた。忘年会は雪の影響で新千歳空港に足止めを食らって、でることが出来なかったし、そのあとの年末休みを経て、年始からカナダに旅立ったわけだから、そういうことも十分あり得るわけだ。それにしても一ヶ月というのはすごいな。

久しぶりに家に帰ったので、今日は朝から部屋のプチ模様替えをした。海外のアパートに長くいると、そのシンプルな生活の快適さに、日本にいてもこの感覚を持ちたいと思ったわけだ。それでテーブルを動かしたり、テレビの位置を変えてみたり、いろいろとやって、ついで留守の間出来なかった掃除もできて一石二鳥だった。見た目もシンプルになり、なんだか部屋全体が明るくなったような気がする。ほんの少しの事なんだけど、模様替えをするというのは、ときどき重要である。

模様替えをしている間に、行きつけの美容室に連絡を入れて、予約をする。僕の場合、こう見えても人見知りの傾向があるので、ある程度初対面の人には構えてしまうため、美容師さんはどちらかというといきつけの人の方がいい。あらたに関係をいろいろと説明して構築しないですむし(これはどういう事かというと、初対面だといろいろと説明しなくちゃいけないじゃないですか)、お互いの腹を探り合うような変な緊張感を抱かずにすむというのが最大の利点だ。それでも、美容師さんによってはこちらの意図しない頭にされることもままあるので、そういう感覚が合う人がいいというのは当たり前のことだ。いま、切ってもらっている人は「耳を出して、あと、おまかせ」なんて言うと、いい感じに丁寧に切ってくれるのでとてもいい。これは僕の感覚かもしれないけれど、どちらかというと男性の美容師のほうが「短くしてくれ」といってもなかなか切ってくれないのに対し、女性の方は案外ばっさりとやってくれるような気がする。僕は元来、髪の毛はできるだけ手のかからない方がいいというタイプなので、どちらかというと女性の方がいいのかもしれない(「そんなことないよ」という美容師の方がいらっしゃったら、ごめんなさい。あくまでこれは、中立個人の感覚です)。

a0014658_1145411.jpg


とてもさっぱりして、美容師さんに見送られ表に出たのだが、どうも気持ちよくなりすぎたのか、首回りがすーすーとして寒気がする。昨日、帰りの機内でも咳が出たりしていたので「ははん、これは未病という奴だな」と勝手に想像し、家に帰るとそのままベッドに潜り込んで寝てしまった。目が覚めるとあたりはすっかりと暗くなっていて、完全な夜だった。それでもそもそと起きだし、簡単な夕食をとりながら、たわいのないお笑い番組を見て、そのまままた寒気がしてベッドに。それで、夜なかに目が覚めて、そのまま寝るのもなんだなあと思い、現在に至るのである。

やっぱり時差ぼけというのは、徹夜明けのような生活リズムの変化を伴うようだ。こうして文章を書いていると、また眠くなってきたので寝ます。おやすみなさい、みなさん。。。。。

追記 そのあとまた朝まで眠ってしまった。それでもまだ眠気が完全にはとれていない。まだバランスが崩れているのだろう。こういうときにはあまり抵抗しても仕方がないので、「自分は風邪ではない」と思い込む位しかできない。ま、「それが抵抗そのものじゃないか」と思われる節もあるでしょうが。
[PR]
by nakadachi2 | 2009-01-18 01:11 | Private
飛行機の不時着のニュースと、最後の食べ物
MontrealからDetritまで2時間のフライト。TRAINSITを経て、関西国際空港まで14時間のフライトで、ようやく帰ってきました。帰りは気流の関係でどうしても時間が遅くなってしまうのは仕方がない。それでも、やはり厄年を越えた身体に、長時間のフライトはこたえる。それに機内でずっとヒステリックな叫びを上げる子どもがいて、ちょっと参ってしまった。身体を動かせないストレスが加速する。でもしょうがいからあきらめて、まんじりと到着を待ちつづけた。着いたときには、足下がおぼつかない感じがした。這々の体で日本の地を踏みました。みなさんただいま。

帰ってきたら、ニュースは丁度ハドソン川に不時着した旅客機のことを伝えていた。僕が搭乗した飛行機と同じように、ニューヨークにほど近い場所の空港から飛び立ったということに戦慄をおぼえた。一つ間違えたら、僕もあの場所にいたかもしれなかった。人生はほんとうに何があるのかわからない。航空ジャーナリスト達はこぞって、ベテラン機長の英断とフライトコントロールを絶賛していた。それはそうだろう。胴体着陸を選択し、それが冬の河であることを考えたら、奇跡だと言うほか無い。乗客が全員無事で本当によかった。そういえば昨日のフライトはよく揺れた。「これで墜ちたらどうなるのだろう」という事を一瞬でも考えてしまった。それだけに、エンジンに巻き込まれて死んだ鳥のことを考える余裕もなく、ニュースの情報にことさら安堵したのだった。

Montorealを離れる前夜には、最後の晩餐として巨大なステーキを焼いた。

a0014658_692169.jpg


人生の最後に何を食べるのかという選択はよくあるが、僕の場合、海外にいるとそれは必ずステーキになるだろう。こちらの肉は日本のような霜降り信仰のない、赤身中心の肉だから、いくら食べても腹もたれするということがない。一口ごとに肉を強靱なあごで噛みしめなくてはならず、それこそまさに咀嚼という感覚がふさわしいのである。噛んでいるとジューシーな肉汁はあふれんばかりだが、油っぽくはないので、いかにも健康になる食い物だなあと実感をする。僕はもちろん日本食が大好きだけれど、日本の食事は僕にとってはどちらかというと塩っぽすぎるきらいがある。汁物が多いというのも原因がある。その点、海外は味付けはおおざっぱでも、ハーブや香辛料などを多用するため、塩加減自体はそれほどでもないというのが印象だ。実際、今回の10日あたりの渡航でも、幾分身体を絞ることが出来た。日本にいるよりもよく噛んで食べなければいけない物が多く、街を歩き回ることが増えるせいかもしれない。シンプルな生活が身体を健康にする。

生活の場というのをいろいろな場所に求めるというのもいいのではないだろうか。海外にでると反対に、必ず日本のことを考える自分がいる。海外から刺激を受けるばかりではなく、その場に住んでみて日本の良さをとらえ直すのもいいだろう。マイナス30度にもなった極寒の世界でも、不思議とあまり寒さは感じなかった。それよりも不景気をあおり立てる日本の報道の異常さに寒気を覚えた。贅沢を考えなければ生きていくことは十分出来るはずだ。今回の滞在はシンプルに自分の生活をもう一度見つめるいい機会となった。
[PR]
by nakadachi2 | 2009-01-17 06:17 | Food