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ロンドンから東京へ。そして
ロンドンから12時間ほどかかって東京成田に到着した。丁度、ロンドンからだと日中の移動になったので、結局あまり眠る事ができなかったのでずっと機内で放送される映画を見ていた。もちろん、ほとんどの映画は字幕などないし、こちらもたいして英語はできないので、まあ想像しながらみるわけですが。暗い機内で赤ワインをチビチビやりながら見ている映画はとてもここちいいものです。結局、小さなワインボトルを三本空ける間に三本の映画を見ました。こ映画を劇場に観に行くことも少ないし、改めてテレビの前でDVDを見るという時間もないのでこういう機会は貴重です。日本ではもう公開されたのかどうか知らないけど、「Miss Potter」はとても良かったですね。英国がえりの機内で英国発のピーターラビットの作者の映画を見るなんて感じがまた良かった。今回気づいたのだけれど僕はユアンマクレガーが割合好きなんです。もちろんPotterさんを演じた女優さんも良かったです。顔の表情が細かくて、映画の間中ほとんどその表情をカメラが追いかけているので、ずっと向き合っていたような気になれました。他には「ハッピーフィート」というペンギンを主役にした無軌道なアニメと、行きの飛行機でも飛ばし飛ばしで見た「カジノロワイヤル」。今回のジェームスボンドは、あれはどうなんでしょう?僕にはあまり良さがわからないけれど。厳しすぎてユーモアがない感じ。どちらかというと悪役の印象。やはり、ボンドはショーンコネリーだよなあと一人で納得している間も飛行機はロシアの上を飛び続けています。しかし、12時間のフライトがほとんどロシアの上を飛んでいるというのも、あらためてなんだかすげえなあと思ったりしましたね。ほんと広大だからかえって手が付けられなくなるんでしょうねロシア。だって広すぎるしロシア。

途中成田で食事をしようと思って、久しぶりの日本なんだからラーメンを食べようとしたわけです。でも成田って、いわゆる高級志向で奇妙な取り合わせのお店しか入っていなくて、仕方なく「赤坂璃宮」という中華料理のお店に入りました。あの周富徳さんがやっていた店です。今はどうか知らないけど。店では女の子の店員がチャイナドレスを着ていて「ここはどこなんだ?」と、一瞬わけがわからなくなりました。「五目あんかけそば」を注文したのですが、あまりうまくありませんでした。明らかに材料をけちっているのがわかるし、不必要なものにお金をかけるくらいなら(例えば中華料理屋でスリットから飛び出している女の子の足とか)、もっと料理の中身が欲しいものです。

その後、成田からリムジンバスで乗り継いで羽田、そして大阪伊丹と移動を続けました。伊丹では風が強かったのか、かなり機体が揺れて到着時には少し気分が悪くなりました。しかし、外に出てしばらく風に吹かれているとだんだんと良くなってきました。風に吹かれながら、今回の旅を少し反芻していました。思ったよりも短かった。もっと日本を離れてみなければこの国の良さも異常さもわからないだろう、そう思いました。なんだか、今後自分の役割というのが少しだけわかったような気がする、そんな旅でした。みなさん、ただいま。
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by nakadachi2 | 2007-04-29 08:12 | TACT/FEST
ロンドンに立ち寄った
数日間の滞在を終え、ロシアを離れる予定が空港で思わぬ足止めをくってしまった。コペンハーゲンの空港でどうやらストがあったらしく、飛行機がキャンセルになっている。ロビーにはカウンターでのチケット変更を求めて長い列が出来ている。仕方がないので僕も並ぶ。こういう場合、窓口では必ず怒鳴り合いがあるものだが、こちらではよくあることなのか、案外みんな平然としている。カウンターで無事チケットを取り替え、コペンハーゲンを経由しない便に変更する事ができた。ロンドンへの直行便。こういうのはかえってラッキーというべきなのかもしれない。

結局、当初の予定よりも早くロンドンに着く事ができた。ヒースロー空港。あまりこれといった特徴のない簡素な空港である。タクシーを捕まえてホテルへと向かう。タクシーの料金はホテルとの提携により、定額料金になっている。空港でいくらかポンドに両替する。三万円ほど両替をして110ポンドほど。そのうち、70ポンドをタクシーに支払ったので、かなり高かったと思う。日本円で1万8千円くらい。高いと思いません?空港から10分ほどの距離だったのに。ちなみに帰り、バスで空港に行ったときには3ポンド50セントだった。ひょっとするとたかられたのかもしれない。いやそんなもんなのか?真相は薮の中だ。

ホテルは住宅街の中にある「スカイウエイズ」という名前のホテル。いかにも空港からのアクセスが良いと自慢しているようだが、実はこの場所はアクセスがそう良くはない。空港からロンドン市内までは電車が走っているし、それに乗ると15分くらいで市内に着く。だから市内に宿を取った方がかえって賢明である。僕の泊まったホテルなんて周囲には何もないただの住宅街だった。例えてみれば関西なら夙川辺りという印象である。ホテルはインド料理が名物だったが僕は食べなかった。なぜインド料理が名物なのか?やはりインドからカレーが初めて伝わったのがイギリスでなどと考えていたが、なんのことはないただインド人が経営しているだけだった。フロントでいきなりインド人と対面。彼は「夕食にはインド料理がおすすめだよ」とにっこりする。本当にすてきな、すてきすぎる笑顔で、かえって驚いてしまう。ホテルは二階建ての住居を改造したような作りで、民宿と言ったほうがいいかんじ。伝統のあるつくりのホテルだと、ネットで検索すると出ていたが、それは単に古いのだということが泊まってみるとよくわかる。お風呂にもシャンプーなどの備品は何もない。テレビにはリモコンもない。しかもメーカーは「MATSUI」という、いかにも怪しい名前ときてる。しかし僕はどこでも適応できるので、さほど苦にはならなかった。荷物を部屋に置き、楽な服装に着替えてから散歩に出る。あたりはどうもインド人街らしく、道を歩いていてもやたらとインド人が多い。どうやら少しばかり貧しい地域のようだ。廃屋のような建物もある。それでも日本より建物の敷地は広いし、のびのびとしている。そのまま近くのガソリンスタンドに行く。なぜならガソリンスタンドとコンビニエンスストアが一緒になっている。この辺りには少なくとも歩いて行ける距離には他に何もないのだ。そこで、チキンとパスタのサラダ。ビールを数本買い込み、間食用にチョコレートクロワッサンとリンゴを一つ買い込み、ホテルへと戻る。テレビをつけながら、ビールを飲んでいると猛烈な睡魔に教われ、そのまま眠りにつく。明くる日、シャワーを浴びてから朝食をとる。イングリッシュスタイルの朝食はロシアに比べて数段良かった。よく見ると家族がみんなで一緒に働いているのだとわかる。あたたかさのようなものが感じられるホテルだった。しかし、もう一度泊まりたいかと聞かれれば、おそらく僕は遠慮すると思う。
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by nakadachi2 | 2007-04-29 07:44 | TACT/FEST
ロシア総括
僕は今、ロシアにいる。サンクトペテルブルグの空港に降り立ったのが、22日。そこから車で三時間ほどかけて、ノブゴルドに来た。ノブゴルドは1000年以上の歴史を持つ古い街。街の中には、小さなクレムリンのようなものもある。この古い歴史のある街で、二年に一度、青少年のための演劇フェスティバルが開かれている。「KINGFESTIVAL」と冠されたこのフェスティバルは、フェアリーテイル、日本語では昔話のカテゴリーに入る作品ばかりが集うフェスティバルである。

ロシアに来たのも初めてで、しかもこんな小さな街にくるなんて、なんだか不思議だなあと思う。これから一週間ほどかけて開催されるフェスティバルの演目を毎日、三つくらい見るのがこれから数日の予定。こちらに到着してすぐに、エリチィン元大統領が死んだという事もあり、テレビでは荘厳な葬儀の模様がずっと流れている。街の天気は想像した通り、曇り空が多い。街全体が寒さとともに喪に服しているような印象を受ける。

劇場や建物は例外なく、古い建物ばかりだ。そこで行われる演劇も旧時代から続くテキストを中心としたスタイルの演劇だ。だが、役者の言葉を操る力は本当にうまい。なので、これはこれでいいような気もしてくる。

こちらでは沖縄の下山さんや韓国の金さんとも一緒なので、それほど大変な事はない。ただ、三食ともホテルでとる事になっているので、ホテルの食事が毎回、ほとんど同じメニューというのがまいる。が、それといって別に深刻な問題にはならない。無い物ねだりをするよりもそこに身体を合わせて行けばいいわけだ。食べているものは、ジャガイモと、衣の着いたピカタのような肉や魚料理、あとはキャベツのピクルスか、リゾットが大概一枚の皿の上で一緒になっている。他には黒いパンとマヨネーズかチーズ味のサラダ。それにジュース、以上だ。昼間の方が夜より少しだけボリュームがある。あまり過剰な塩味もついていない。非常に健康的。質の良い監獄に入っているような気分だ。しかし、監獄では酔っぱらう事は出来ない。だからホテルの方がずっといい。ロシアのお酒は、もちろんウオッカも有名だが、コニャックやビールもおいしいし、あと、ワインも少し甘いがなかなかいける。ただビールはほとんどの場合冷えてはいない。なまあたたかい、中途半端なビール。日本のあのグラスまで冷えたビールが懐かしい。人々は外で昼間からビールを一杯やっている。僕の感覚からすると、外でビールなどはのめないほどの寒さなのだが。寒い気候と冷えていないビールの因果関係を探ってみると案外面白いかもしれない。僕は金さんに誘われて毎晩ウオッカを飲んでいる。こちらで飲むウオッカは、やはりとてもおいしく感じる。酒はその場所で、そこの空気とともに味わうのが一番なのだ。

テレビでは相変わらず、エリチィンの葬儀が続いている。まるでオペラのような葬儀をコマーシャルもなしに延々と流しているから、おそらく国営放送なのだろう。こちらでは今は自由経済になっているそうで、昔に比べて物価もかなりあがったようだ。ルーブルは国外に持ち出しが禁止されているし、ルーブル以外は町中で使用する事は不可能なので、僕はルーブルにまだ換金していない。それでも、あまり買いたいものもないから困る事もない。一応、外から一目見た感じではわからないが商店のようなものもある。どんなところでもあたりまえに生活はあるのだ。

ロシアの人々の人柄は、アメリカ人のように目が合うとニコリとするような愛想はないが、素朴で心のあたたかい人たちだと思う。僕たちのコーディネイトをやってくれているのはオルガという名前のロシア人だ。役者で公演もしながら僕らの世話を焼いてくれている。表情があまり変わらないので表面的にはわからないのだが、舞台を見るとユーモアセンスもある。とてもいいやつだ。

ロシアの古い街に自分がいると、自分が古いお酒の樽の底でいるような気分になってくる。そこで自分の中の何かが熟成されて行く。日常の価値観がひとつひとつゆっくりとだが、確実に変化していく。やはり、世界は一つではない。自分が見ている景色でも、それはけして一つではないのだ。テレビではオペラのソロ歌手のような司祭が朗々とした声で宗教家を歌っている。大勢の人たちに囲まれたエリチィンは、その歌声すら聞こえないようで目覚める事のないまま永遠と眠っている。みんなは彼に子守唄を聴かせているようだ。疲れなどみじんも見せる事なく葬儀は延々と続いている。なんとなく「これは劇なのだ」という錯覚をおぼえる。テレビの中で行われているこれは今、ロシアで行われている古色蒼然とした演劇なのだ。私たちは観衆であり、そのクライマックスをただじっとテレビの前で待ちつづけている。


劇場で演劇を見る。ほとんどがロシア語。見ていれば話の内容はくらいは想像がつくが、会話の意味はまったくわからない。時折眠りに落ちそうになりながら暗闇で目を凝らしている。芝居が終わればバスでホテルに戻る。車中では他のゲストたちとたった今見て来たばかりの芝居について、ああでもないこうでもないと議論を交わす。そして、あの作品は良かったなどと情報を交換する。ゲストはほとんどが世界中で行われているフェスティバルの芸術監督たち。意外なようだが、こういう状況で耳にした作品が口コミで世界を回る事になる。どの世界も案外狭い。ホテルに戻ると食事。毎回同じような食事。そしてまた時間になるとバスに乗り込み劇場へと向かう。その繰り返し。それらはおどろくほどシステム化している。私たちはただ作品を見続け、議論し、情報を交換する。いい作品というのはその人の尺度でしかはかれないものだ。みなそれぞれの芸術監督は観点が違う。それこそがフェスティバルの個性であり、またそれでいいわけだ。いや、そうでなければならない。芝居の善し悪しというのは民主主義で決まるものではない。時に強力な意見がすべてにおいて優先することもある。それでこそ、あるフェスティバルの質というのが維持されていくのだ。
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by nakadachi2 | 2007-04-29 07:43 | TACT/FEST
デンマーク後編
前日の夜10時から、韓国と沖縄と大阪で会議。なにせ、夜9時を過ぎてもまだ明るいから、夜が遅くなる一方だ。その後、12時から韓国のユジン、沖縄のめぐみさんと飲み会。ほとんどつぶれている状態での飲み会だったが、ユジンがわざわざ韓国から運んで来た母親手作りのキムチで一杯やる。ホテルのフロアがアジアの香りに包まれるが、深夜なので誰も気にしない。こういう席でお互いの誤解や行き違いなどを解消しなければならないので、こういう飲み会も結構重要だったりする。

一夜明けて、三日目。この日は朝から動く。まずは前日にデンマークのキムさんが教えてくれた体験型の芝居?を観に行く。ビボーのカンパニーだそうだ。フェスティバルの本部のある集合場所に朝出向くと、会場がどこにあるのかわからない。スタッフに声をかけると「あそこのドアから入れ」と言われる。ドアを開けて中に入ると、お茶セットなどがテーブルに並べてあり、そこには前日に公演を終えた沖縄のグループたち、その他、顔見知りの人たちが何人かいる。全員で20名ほどのグループ。スタッフの女性が説明を始める。どうやら話を聞いたところでは、これはどこかへ旅をする体験を通じて、自分の本当に大切なものとであうという作品のようだ。あまり詳しくは書かないが、これは面白かった。子どもたちは喜ぶ事請け合いだと思う。ただし準備は大変だろう。それに時間もかかる。だって三人ずつしか案内してもらえないんだから。100人もいたらおそらく一日中かかるだろう。でも、こういう事に真剣に取り組んでいるという事がすてきである。終わって移動。続いて三人のパフォーマンス型のお芝居。これは面白くなかった。その後は日本に呼ぶ予定にしていた「ハムレット」を見る。ただし今回は若手キャストだそうだ。ハムレットはかなり簡略化してある。わかりやすいし、役者もよく身体が動く。それで一日が終わった。明くる日、まず「ジェネシス」という作品。宇宙を舞台とする美しい作品。技術も見事。この作品で中心を担っていた役者の彼女にあとでカフェでであって、ほめたら、とても喜んでくれた。そのあと、クラウンの作品を見て、続いてもう一本、クラウスさんのカンパニーの作品を見た。こうして一日に何本もの作品を渡り歩くのがフェスティバルの楽しさだ。クラウスさんの作品は男女をテーマにした演劇で、大人の演劇だがとてもスタイリッシュで良かった。役者もうまかったし、個人的には劇中に流れた曲、ベルベットアンダーグラウンドの「僕は待ち人」がヒットで、最高にクールだった。その後、少し離れた幼稚園のような劇場に移動。ここで、クラウスさんの奥さんの、アネットさんのカンパニー(夫婦で別々のカンパニーを持っている)の作品を見た。どちらかというと、いろんな楽器と朗読スタイルの低年齢向け作品。ハンモックを使った舞台がユニークだった。最後に不思議の国のアリスを男女二人で演じる芝居を見て、ビボーからの電車に乗る。この日は深夜にコペンハーゲンの空港近くのホテルで寝た。そして翌日、机上の人となった。次はサンクトペテルブルグである。初のロシア。
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by nakadachi2 | 2007-04-29 06:33 | TACT/FEST
デンマーク二日目
朝から予定をきちんとこなさなければならない。今朝は小雨模様。こういうのが普通のデンマークの天気らしい。小雨の降りしきる中、学校公演を観に行く。小さな小学校。子どもたちは我々大人たちの一団を見ると、指笛をならして踊りだす大騒ぎ。こういうのも先頭を切るのはなぜか黒人の子ども(笑)。とても元気がいい。

会場は体育館。赤い巨大なマットが舞台全面を、背面までも覆っている。そこで「腕と足」という、身体に興味を持たせるパフォーマンス。コンテンポラリーのダンスだ。黒いシャツとズボンを着た男性が二人で45分くらいのパフォーマンスを展開する。こちらの子どもたちにも教師から時折、静かにするようにという指示が飛ぶ。すると子どもたちはとたんに静かになる。意外なほど、素直な子どもたち。

パフォーマンスが終わり、本部へと移動し、宿泊費の精算などを終える。ピーターさんは今回、我々ゲストの接待から、パーティの準備、そしてこういう細かな接待までと大忙しである。本部には常時10名以上の人間がいて、それぞれの仕事を黙々とこなしている。みんな、アシテジデンマークの人間で、それぞれがカンパニーを持っている立場である。

カフェに移動し、沖縄フェスの下山さんたちとチケットを貰う打ち合わせ。キムさんが行ってくれ。頭が下がる。夕方からデンマークとスロバキア?の共同製作作品「石の王子」を見る。これは100分ほどの演劇。四方を観客が取り囲み、真ん中のスペースで二人の男性俳優が、次々と役柄を変えながら行うアクティブな演劇。途中で二度ほど、ブレーカーの落ちるアクシデントがあったが、役者の力量と情熱がそれらをカバーしていた。内容的には、虐待などを通して、閉ざされた子どもの心が解き放たれて行く話。

その後、センターから車で、15分ほどかかる劇場へと移動する。劇場と言っても体育館である。そこにバス停留所の舞台がしつらえられている。内容はダンスパフォーマンス。言葉は一切使用しない。四人編成で、男女二人ずつ。「街の天使」というタイトルだが、どちらかというと内容的には「街の悪魔」と言った方がいい。覚せい剤、性的なイメージ、バイオレンスなどをヒップホップ、ダンス、マイムなどのテクニックで展開して行く。子どもたちにこれをみせるのかと思うほどの過激さ。終わりまで息もつかせぬ構成。だが、救いのない終わり方など、内容には疑問が残った。しかし、ダンサーのテクニックや身体、若さ、このことを格好のいい事として、やっている感覚には共感できる。やはり、かっこいいことでないと子どもたちは引きつけられない。

印象に残ったのは、デンマークの児童青少年パフォーマンスに対する懐の大きさだ。これらをもし日本で展開したとしたら、学校や親から少なくないブーイングが起こるに違いない。しかし、その過激さも社会に満ちあふれている事柄であり、そういうことから完全に子どもたちの目を背ける事は不可能である。ならば、子どもたちに嘘をする事のないこういう作品を見せたいんだという、デンマークのパフォーマーたちの考え方に激しく共感するものである。

夜には海外のゲストを中心に、ホテルでパーティが行われた。その席で同じになった、狂言の茂山千之丈さんと話し込む。こういう場所で狂言の人と話をする不思議。いろんな出会いが広がる海外の豊かさ。
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by nakadachi2 | 2007-04-20 15:37 | TACT/FEST
銃乱射事件を知って
朝、ホテルで食事をしていると、韓国アシテジのメンバー二名がやって来て、同じテーブルで食事をとることになった。二人とも以前から面識があり、とても気安い。楽しく語らいながら食事をしていると、二人のうちの一人、ソンさんが米国での銃乱射事件の犯人が韓国人て会った事を教えてくれた。僕は「本当ですか?」と聞いた。彼女は苦しそうに顔を曇らせ「そうだ」と応えた。「それはショックですね。」と言うと、彼女は「これからは韓国から来たといいにくい。とてもつらい」と応えた。一部の人間の凶行により、他の大多数のよき隣人が同じような視線を向けられるという理不尽さは筆舌に堪えないことだ。殺人者はどこの国にもいる。今回のような自分本位の考え方を持つ残忍な人間ばかりであれば、世の中は破滅するしかない。このことにより日本でも韓国バッシングが起こっていると聞く。そういう煽動的な言葉に耳を貸さないで、目の前にいる人たちと友好な関係をひとつひとつ対話で紡いで行くしかない。知りもしない人間が憶測で他国の人間を批判する。思い込みと残忍さが凶行に走らせる。被害者ではない、みんないつでも加害者になるのだという意識を持たなければ、手を取り合う事など永遠にできるはずがない。
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by nakadachi2 | 2007-04-20 13:11 | TACT/FEST
デンマークの初日
デンマークに着きました。デンマークで毎年開催される国際児童青少年演劇フェスティバルを視察に来ています。コペンハーゲンに着いたのが現地時間で23時。日本との時差は7時間ほどです。コペンハーゲンから迎えに来てくれていたキムさん(デンマークにもキムさんという名前の人がいます。)たちの車に乗って、一路、ビボーという街へ向かいます。コペンハーゲンから車で四時間ほどの道のりです。僕が乗った車を運転してくれていたのはカレンという名のものすごく背の高い女性。僕も日本人では大きい方なので190センチくらいあるんじゃないかな。眼鏡の似合うチャーミングな人です。ホテルに着いたのは午前3時。そこからチェックインをすませ、就寝したのは午前四時。しかし、機内でもよく眠っていたのであまり気になりませんでした。

朝、シャワーをすませてから朝食をカレンたちとホテルのレストランで。ビュッフェスタイルです。ヨーグルトとシリアルが充実しているのと、チーズが巨大で丸ごと置いてあるのと、ハムなどの類いがおいしいことが特筆ものでした。

本日、観賞した作品は両方ともなぜか日本の作品でした。というのも週末まではデンマークの劇団は主に学校で公演をしています。なので、夜、劇場で公演する事が少ないのです。今年は珍しく日本より2本作品が招待されていました。基本的に国内作品のフェスティバルなので、海外から招聘する作品はとても少ないです。それなのに二本も作品が招聘されたということに、日本との友好な関係が見て取れます。

作品は茂山ファミリーによる狂言と沖縄のエイサーなどを取り入れた歌舞作品「道ぬ空」の二本でした。17時から一本目を見て、19時、違う劇場に移動してもう一本を見るという具合に劇場が隣接しています。ビボーは旧い街並で、人口は少ないと思われる地方都市ですが、それでも劇場文化は盛んなのです。作品はあたたかい拍手で迎えられていました。もう少し、言葉の配慮などがあれば、内容がより伝わったと思われます。そこだけが残念でした。

終演後、21時を過ぎた頃から辺りは暗く夜になって行きます。やはり、日が長いのはこちらの地域性を感じます。昼間は太陽が出ているとあたたかいのですが、一旦雲に隠れて、風が出てくると急に冷えてきます。僕もこちらでジャケットを一枚購入しました。帰りしな、ホテルに劇場から歩いて戻りながら、道ばたにあったピザを売っている店でケバブピザを注文しました。待っていると、店員から「どこからきた?」と聞かれたので「日本だ」と応えると、驚いたような顔をしました。こちらの地方ではほとんど外国人の姿がありません。おそらく観光客はとても少ないのだと思います。ホテルに戻って、地元のピルスナービールと食べたピザはスパイシーであつあつで、今まで食べたどのピザよりもおいしく感じました。だって、ピザ生地を丸くのばすところから始めるんだから、うまいわけです。チーズの風味も変わっていて、抜群でした。
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by nakadachi2 | 2007-04-19 14:12 | TACT/FEST
劇場にいた
ここ数日、東京にいる。出張でいろんな人と会い、話をしている。今日は久々に時間があったので、なんとはなしに渋谷に出た。ものすごい人の数。そこから逃れるように文化村のシアターコクーンに行く。確か、美術系の本や商品を売っている店があった。そこを目当てに行くが、店は見つからなかった。どうやら思い違いをしていたのかもしれないなと、帰ろうとしたところ、劇場の入り口あたりが騒がしい。現在上演中の【写楽考】という芝居の立ち見が売っているようだ。受付の女の人に幾らですか?と聞くと「三千円だ」という。迷わず、入る事にする。

原作は矢代静一という人。女優まりやともこのお父さん?だったかな?うろ覚えの知識。演出は名前も知らない。出演の堤真一やトリビアの高橋克美、きむら緑子七瀬なつみ、西岡徳馬、長塚京三の息子の(名前はど忘れした)とか、割合と知っている出演者。

セットは動くが。出演者にほとんど動きのない芝居。二時間の立ち見は疲れる。同じ会場で昔、コクーン歌舞伎を見たが、あれは立ち見でも問題なく面白かった。写楽考は戯曲は戯曲、セットは豪華、出演者のそれぞれの演技と、バラバラな印象。観客は立ち見も出るくらいだから満員なのだが、何の驚きもない芝居。テレビで見慣れた役者がその役に見えてくることは最後までなかった。残念だったが、久しぶりに劇場に行ったという高揚感だけを抱いて、その場を後にする。

東京では日常的にこのような芝居が行われている。芝居の出演者はテレビでおなじみの人たち。その人たちを見るために劇場は埋まる。テレビは宣伝媒体として劇場の先鋒を担っている。劇場に来るお客さんは、例えば腰巻きを手ぬぐい代わりに使用するというような古典的な笑いにすら、きちんと反応する。安心を笑っているのだろう。笑いが飽和状態の世の中だという。その時代ですら、人々はたわいのない笑いまで貪ろうとしている。

テレビは役者を駄目にするのかな?それとも今日は演出家が駄目だったのかな?といろいろと考えてしまう。いい芝居を見た後には、あまり考える必要はない。駄目な芝居には考える要素が沢山ある。劇場は人が集まって初めて劇場である。お芝居がやられているだけではそこは稽古場になる。観客が埋まってこそ劇場であることはわかっているのだが、なぜこのような芝居が観客で埋まるのかということがさっぱりわからない。テレビの効果だろう。おなじみの人たち、という安心感が人を呼び寄せるのだろう。

などととりとめなく、いろいろなことを考えながらそのとき渋谷の黄昏に確かに僕はいました。それはそれで、まあ楽しかったです。
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by nakadachi2 | 2007-04-16 07:05 | Theater
さくらの取り持つ縁
昨日は雨で、あいにくの天気でしたが、私たちは花見を敢行しました!しかし屋根のある公園でやったので濡れなくてよかったです。桜の花もちょうど満開でした。雨が次第に激しくなって行き、桜がはらはらと散って行くところがまた美しかったですね。いい花見でした。

新人が何人か入ってきたので、その人たちの顔見せも出来てよかったです。これから変化が求められます。そこを乗り越えられるかというのが第一の課題。仕事の結果などはあとに続くもの。新人の諸君にはがんばってほしいと思います。

人の思いというのはつながって行くものですから。

さくらの花びらが散るたびに、人の生き死にとその意味を考える。日本人にはこの感覚が必要なんですね。

昼間から長時間続いた飲み会は夕方に終了。そこから、劇団員のさくらこりんと飲み続け、おおいに語り合う。なんだか、さくらと縁のある一日でした。
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by nakadachi2 | 2007-04-08 10:49 | KIO
らくごの稽古
最近、身の回りの動きが慌ただしくなってきた。このことは後日、書くべきときが来たら書こうと思う。

今日は、帝塚山の「無学亭」に足を運んだ。笑福亭鶴瓶さんの師匠、五代目松鶴さんの自宅を改造して作られた、住宅街にある、70席ほどしかない本当に小さな寄席。そこで、つるべさんの一門が月一で「らくごの稽古」と題した、木戸銭はお帰りにお支払いくださいという会をやっている。それを見てきた。

自転車で家から10分もかからない場所にある「無学亭」。マウンテンバイクで坂道を上る。一見するとわからない瀟洒な和風作りの建物。中に入ると、ちゃんと席亭になっているのが不思議。開場してから遅れて入ったのだが、座る事が出来た。座ったとたんに、つるべさんが出てきて、前説を始めた。なんて贅沢なんだろう。こういうことがひっそりと行われているのだ。

結局、前説が20分くらいあり、そこからお弟子さん2人の落語。そして師匠の落語、古典と新作落語の二題。とても豊かないい時間を過ごさせてもらった。

気分よく、夕方の帝塚山あたりを、自転車で走るのもいい。何となく「忙中閑あり」である。
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by nakadachi2 | 2007-04-06 17:39 | Private