アフリカへ チュニジアに行く #1
僕は今、アフリカのチュニジアにいる。日本から12時間、イタリアのミラノ空港で乗り継いで、アフリカへ。丁度、地中海を挟んでイタリアの反対側に位置するこの国は、モロッコなどの隣国であり、日本と同じような過ごしやすい気候である。日本を離れたのは12月24日。そう、ちょうどクリスマスイブの日だ。ミラノの空港に降り立ったのは同じ24日。8時間くらいの時差があるためにそういうことになる。
まさか、こんなクリスマスを過ごすことになるとは夢にも思わなかった。半年ほど前、韓国の金先生から「アフリカのチュニジアで22年間続いている子ども演劇のフェスティバルがあるのだが、一緒に行かないか?」と誘われ、二つ返事で「行く」と応えた。そして間もなくチュニジアから「大阪の国際的なフェスティバルの芸術監督を招待する」という正式なカードが届いた。だが、驚いたことに「何か作品を持ってくることは可能か?」というオファーが一緒にあった。現地での負担はフェスティバルが持つが、航空機運賃などは自己負担という条件だった。その頃はもう10月。助成金などはとても用意が出来ない。自己負担金はかなりの額になる。いろいろと打診はしてみたものの、手を挙げてくれる団体はない。あたりまえだ、行く前から赤字を覚悟する。そんな酔狂な団体は、、、僕らくらいか。
結論が出て、チュニジアに「行く」と返答をした。作品は「グリーンモンスター」しかない。この作品ならなんとか、輸送運賃をかけずに道具を現地で調達しながら、手荷物で道具を持ち込むことができる。金先生のワークショップを終えた18日から大きなスーツケースを4つばかり買いこんでパッケージをした。海外仕様の変換プラグや変圧器も必要だ。なんだかんだで4つの巨大なスーツケースはすぐに一杯になった。それをみて、大変な気持ちになった。この荷物を抱えてアフリカか。。。気が遠くなりそうだ。
それでも何とか出発度当日を迎えた。荷物は割り振ったが個人の荷物も当然あるので一人当たりスーツケースを二つ以上抱えることになった。メンバーは、最初から行く予定だった中立に加えて、グリーンモンスターの出演者4人、スタッフ3名。そこになぜかさくらこりんの親や姪っ子もついてきた。「こんな機会でも無いと、そんな所に行くことなんかないと思うから付いていく」という。素晴らしい考え方だ。こうして、この10名の大所帯の珍道中が始まった。

イタリアミラノの空港までは順調。時差ぼけを考えて、僕は機内でずっと映画を見ていた。こんな時にはまとめて普段見逃した映画を見る。「トランスフォアーマー」を見て「オーシャンズ13」を見て、LUXのCMに出ていた女優のコメディを見た。それぞれにそれなりに面白かった。その他にももう一本見たのだが、エアポケットに入り込んだように、まったくタイトルが思い出せない。とにかく、映画を4本も見たのでそれなりに有意義に過ごすことができたわけだ。そしてミラノの空港で3時間ほどの乗り継ぎ待ち。時間はよるの7時。空港の免税店などを見て回ったり、本場のピザと一緒にビールを飲んだりしながらぼんやりと時間が経つのを待っていた。ピザは日本で食べるものの方が美味しいと思った。たとえミラノと言え、空港は空港なのだ。そんなこんなで時間は経ったがここでトラブルが発生した。
a0014658_338173.jpg
みんなが出発カウンター前で騒いでいる。どうやら飛行機が飛ばないらしい。やれやれ。どうして三時間待つ前に教えてくれないんだろう。いつまでも「飛ばせ!」と騒いでいた人もいたが、飛ばない物はどう頑張っても飛ばない物だ。僕らは早々にあきらめて、航空会社が用意したホテルに向かった。結果的にはミラノの4つ星ホテルに宿泊することになったのだから、これも幸運だったというべきだろう。ホテルでは深夜にもかかわらず、我々のために食事まで用意してくれた。ペンネのパスタや肉料理。とてもうまかった。飛行機が飛ばなくてよかった!ベッドも快適で申し分ない。結果、風呂にも入ることが出来て、すっかり気分が良くなった。例え出発が早朝だとしても、そんなことかまやしない。

だが、早朝にはまた新たなトラブルが我々を待ちかまえていた。

いざアフリカと意気軒昂にバスに乗り込んだまでは良かったが、待てど暮らせどバスが動かない。二台のバスが我々のために用意してあったのだが、そのうちの一台が寒さのため調子が悪くなったらしい。もう一台は先に出発してしまった。我々の乗ったバスは、明らかに「もうシエスタなんだよ」という感じで眠り込んでしまっている。ついに運転手もあきらめて我々はまた寒空の下におろされることになってしまった。それから三十分ほど待って、何とか先のバスが戻ってきたので。あらためて乗り込み、一路空港へ。
a0014658_3392618.jpg
幸い滑り込みで搭乗にも間に合い、やっとの事でチュニジアへと向かった。しかし、大きな問題があった。我々の飛行機が現地に着くのはどう頑張ってもお昼頃。チュニスの空港からフェスティバルが行われるナブールという町までは車で1時間半。我々の公演開始時間は、本日15時。「こりゃ無理だな」と早々に諦めることにする。こういうときはいくら焦っても仕方がない。沖縄風に言うと「なんくるないさー」である。ケセラセラ、なんとかなるさ。場所は違っても人の思うことはそんなには変わらない。
空港では少年が僕らのために花を用意して待ちかまえてくれていた。
a0014658_3432779.jpg
日本から運んだ荷物と花。きっと彼は昨夜もこうやって僕らが来るのを待ちかまえてくれていたに違いない。そのせいか心なしか花もしおれていた。それでも、こうした気遣いが異国ではとても温かい。今回、日本から来た劇団の為に奔走してくれた現地の日本人「カンボス典子」さんとご対面。
a0014658_3405566.jpg
彼女はチュニスでご主人と二人の子どもさんと共に暮らしている。写真は典子さんと娘のサクラちゃん。そして横に写っているのがさくらこりん(本名は典子)。何というご縁!迎えに来てくれていたバンで、荷物を積み込んで分乗し、我々はナブールへと出発したのだった。
a0014658_3454697.jpg
写真はチュニスの空港。旅は始まったばかりだ。まだまだ続く。
[PR]
by nakadachi2 | 2008-01-01 03:47 | TACT/FEST