デンマーク二日目
朝から予定をきちんとこなさなければならない。今朝は小雨模様。こういうのが普通のデンマークの天気らしい。小雨の降りしきる中、学校公演を観に行く。小さな小学校。子どもたちは我々大人たちの一団を見ると、指笛をならして踊りだす大騒ぎ。こういうのも先頭を切るのはなぜか黒人の子ども(笑)。とても元気がいい。

会場は体育館。赤い巨大なマットが舞台全面を、背面までも覆っている。そこで「腕と足」という、身体に興味を持たせるパフォーマンス。コンテンポラリーのダンスだ。黒いシャツとズボンを着た男性が二人で45分くらいのパフォーマンスを展開する。こちらの子どもたちにも教師から時折、静かにするようにという指示が飛ぶ。すると子どもたちはとたんに静かになる。意外なほど、素直な子どもたち。

パフォーマンスが終わり、本部へと移動し、宿泊費の精算などを終える。ピーターさんは今回、我々ゲストの接待から、パーティの準備、そしてこういう細かな接待までと大忙しである。本部には常時10名以上の人間がいて、それぞれの仕事を黙々とこなしている。みんな、アシテジデンマークの人間で、それぞれがカンパニーを持っている立場である。

カフェに移動し、沖縄フェスの下山さんたちとチケットを貰う打ち合わせ。キムさんが行ってくれ。頭が下がる。夕方からデンマークとスロバキア?の共同製作作品「石の王子」を見る。これは100分ほどの演劇。四方を観客が取り囲み、真ん中のスペースで二人の男性俳優が、次々と役柄を変えながら行うアクティブな演劇。途中で二度ほど、ブレーカーの落ちるアクシデントがあったが、役者の力量と情熱がそれらをカバーしていた。内容的には、虐待などを通して、閉ざされた子どもの心が解き放たれて行く話。

その後、センターから車で、15分ほどかかる劇場へと移動する。劇場と言っても体育館である。そこにバス停留所の舞台がしつらえられている。内容はダンスパフォーマンス。言葉は一切使用しない。四人編成で、男女二人ずつ。「街の天使」というタイトルだが、どちらかというと内容的には「街の悪魔」と言った方がいい。覚せい剤、性的なイメージ、バイオレンスなどをヒップホップ、ダンス、マイムなどのテクニックで展開して行く。子どもたちにこれをみせるのかと思うほどの過激さ。終わりまで息もつかせぬ構成。だが、救いのない終わり方など、内容には疑問が残った。しかし、ダンサーのテクニックや身体、若さ、このことを格好のいい事として、やっている感覚には共感できる。やはり、かっこいいことでないと子どもたちは引きつけられない。

印象に残ったのは、デンマークの児童青少年パフォーマンスに対する懐の大きさだ。これらをもし日本で展開したとしたら、学校や親から少なくないブーイングが起こるに違いない。しかし、その過激さも社会に満ちあふれている事柄であり、そういうことから完全に子どもたちの目を背ける事は不可能である。ならば、子どもたちに嘘をする事のないこういう作品を見せたいんだという、デンマークのパフォーマーたちの考え方に激しく共感するものである。

夜には海外のゲストを中心に、ホテルでパーティが行われた。その席で同じになった、狂言の茂山千之丈さんと話し込む。こういう場所で狂言の人と話をする不思議。いろんな出会いが広がる海外の豊かさ。
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by nakadachi2 | 2007-04-20 15:37 | TACT/FEST