「マイタ」と「オブジェット」
昨日からしとしとと降り続く雨で、朝になっても暗い感じが続く。それでも、元気に行動を開始する。そうはいっても、この雨では傘が必要だ。ホテルの目の前にある中華の雑貨店で5ドルの傘をゲットする。しかしこれが、花柄やらわけのわからない模様しかないので、仕方なくおもいきって中でも度派手な黄色の一本を選択する。黄色なので金運が良くなるかもしれないと思いながらさしてみる。やはり度派手なのはたたんでいても、さしても同じである。5ドルのくせに、二段階のジャンプ傘になっている。よくわからないところに情熱が傾けられているものである。

さて、今日は午後から観劇。最初の一本はアジアの民話を題材にした「マイタ」。劇場にはいるとすでにかなり作り込んだ舞台にライトが美しく、期待が高まる。等身大とも言える人形使い達が出てきて、主にテキストに沿った演技が繰り広げられ、時折影絵が挿入されるので、神秘的なイメージを高めている。舞台終盤、火事が起こり、かなりのロスコが床下から噴出する。日本ではあまり見ないほどの量が出る。そのあと、舞台全体が動くという大がかりな演出があり、美しくも哀しい話は幕を閉じる。レベルの高い人形劇だ。

もう一本を見るべく、メトロで移動。「オブジェット」はパンフレットに載っていたのが面白い写真だったので選択したのだが、これが最大の間違いであったと後悔するのはあとの事である。開場が遅れてロビーに各国の要人が溢れかえっている。どこしらでも、「あの芝居は良かった」などと、情報を語り合っている。この芝居もチケットはソールドアウト。それでも当日無理して入りたいと願う人たちが列を作っている。中にはいると、舞台にはいくつかのアンティークな鞄や箱などが点在、雰囲気は悪くない。暗転し、舞台は朝の風景からはじまった…。そのあとの記憶が定かではない。男女二人がなんやらどたばた喜劇をしようとして完全に滑り倒して、観客が何人か上演中に席を立って、と。会期中最悪の劇はどうしようもなく幕を閉じた。「なぜ、この芝居が選ばれたんだろう?」という素朴な疑問がおそらくそこにいた全員の頭に浮かんでいたに違いない。一番辛かったのは、やっていた本人達だろうと思う。だって、拍手を受ける顔がとても辛そうだったのが、また辛さ倍増だった。ま、こんなこともないとね。
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by nakadachi2 | 2005-09-27 14:47 | TACT/FEST