「キホーテ」と「メモリーバイブ」
今日は芝居を二本観ました。どちらも当たりでしたね。最初に観たのは朝の10時開演の「キホーテ」という題の劇。ドン・キホーテを題材にした人形劇で、男性二人で演じられます。舞台には黒いテーブルが用意されていて、明かりはそのテーブルの両サイドに添えられたロウソクの燭台のみ!という中で、とてもいい集中力と二人の呼吸が相まって、観客を幻想的なドンキホーテの時代へと呼び込んでいきます。これは、俳優の技術もさることながら、演出の工夫もとても良かった。

二本目は15時開演の「メモリーバイブ」(英題は「リビングメモリー」)で、訳すと「思い出に生きている子どもの私」とでもなるのでしょうか。少女時代の夢やファンタジックな幻想がおもちゃなどを交えて語られます。これは一人芝居。注目なのは、もの凄いテクノロジーで、空想の世界を現実化しているところ。二人の舞台サイドにいるスタッフと音響や照明の素晴らしいチームワークがその世界を支えています。主演の女性も結構な歳だろうけど、少女の動きなど非常にチャーミングで、鍛え上げられたふくらはぎを観ていると、ことらの俳優の身体能力の高さに驚かされます。

この日に観たのはとても象徴的な二本でした。詩的な部分のビジュアルを、時に身の回りにあるものを用いたイメージで、時にテクニカルに観客に伝えようとする努力。その工夫が世界の児童演劇には満ちています。おそらく、大方の日本人はこういう事を知らなさすぎる。一般の演劇にはない魅力です。それが、大人版になったものがサイモン・マクバーニーなどの世界で最先端と呼ばれる演出家だといっていい。こういうテキスト解釈だけによらない演劇が国境を越えていくのだと僕は思うのです。

こういう作品と出会えるから、この三年に一回のイベントは見逃せない。今度はおそらくオーストラリアのアデレードで行われます(まだ正式決定ではありませんが、ほぼ間違いないでしょう)。どういう作品を世界にぶつけるのか。これからがお楽しみです。
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by nakadachi2 | 2005-09-23 15:13 | TACT/FEST