心の年齢をとるんじゃない!
年を重ねるという事は、体の自由を奪うだけの事ではない。「自分は年だ」「もう昔のようには動けない」などと、自分からすすんで年を取ってしまう事の方が怖い。心の自由が奪われるのである。

動けなく成ったと決めつける前に、トレーニングを怠ってはいないか。すべての物を自分の周囲におくようなものぐさな生活態度になってやしまいか。そこを振り返ってほしい。

年齢は誰もが等しく重ねていく。これは事実だ。

しかし、世間一般的に老人と呼ばれる年齢になったからと行って、心まで老け込んではいけない。そもそも、舞台役者は体をさらけ出す商売なのだから、同世代の人よりも動けて当たり前。役者は心も自由であってしかるべきだろう。

しかし、年をとってやれあそこが痛い、ここが痛いなどと口に出して同情を買おうとする役者に限って、努力を怠り、自分が変わる事を恐れる。これではいけないよ。

だって私たちは、お客様から見ていただく立場なんだから、誰が裏で泣き言ばかりほざいている役者など舞台で観たいもんか。それなら、自分から舞台をおりるべきだ。

誰にだって人生の幕引きはある。役者にとっては板の上で死ねたら本望だろう。僕はその死に場所を提供している役目なのだと思っている。

だから、キオっていう劇団は、役者の引退を求めていない。死ぬまでもがき苦しみ、人生を謳歌し、自分と戦ってほしい。人を愛し、その姿をこどもたちに見せてあげてほしい。だって、生きるってそういうことじゃないか?生き様を見せるのが役者じゃないか。

甘えは一ミリだって自分のためにならない。キオの役者が泣き言を言っていたら同情なんかしないでやってほしい。それが一番本人のためなんだから。同情なんかにほだされて、甘えん坊の自分を正当化することなんて、何の役にも立ちゃしない。


最後になって横道にそれるけれど、「横山企画」というひとり語りの演者「横山のおいちゃん」こと「横山貴央」さんがおなくなりになったという。66歳。先頃まで元気な高笑いを見せてくれていた姿を思い出す。最後までひとり、舞台に立ち続けた人だった。リベラルで権威ぶったところのない人だった。

これが役者である。謹んでご冥福をお祈りいたします。合掌。
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by nakadachi2 | 2012-03-01 08:03 | KIO